国会の活動―減少する会期日数と本会議回数(1)

国会議事堂

国会の活動―減少する会期日数と本会議回数(1)

岸井和
2026.08.24

1会期ごとの国会のスケジュール概要

日本の国会は会期制をとっている。国会は常時活動をしているわけではなく、一定の例外を除いて会期中にのみ活動能力を有する。委員会は例外的に閉会中も活動をするが、本会議は開くことはできない。したがって、閉会中に新たな法律を作ることなどはできない。実際には、おおむね年に2~3回の会期がある。これはG7の国では唯一の例外であり、日本以外の国は(ほぼ)通年で1会期となっている1)フランスは、常会の会期が9か月とされているが、これ以外に臨時会も開かれ、議会は年52週活動している。

会期は憲法の規定の召集の原因により、常会(52条)、臨時会(53条)、特別会(54条1項)の3種類とされている。国会の権能は会期の種類の別によって異なるところはないが、性格や役割はそれぞれの会期ごとに異なる。常会の会期日数は150日と法律で定められているが(国会法10条)、臨時会、特別会の会期日数はその都度国会の議決で決められる(同11条)。さらに、常会は1回、臨時会と特別会は2回まで国会の議決で延長することができる(同12条)。会期日数(臨時会と特別会)、延長日数に関しては、法律上は国会の自律性を認めているものと考えられるが、現実には政府の意向が強く反映した結果として決められている。

国会審議は単純に法案などを質疑し採決を行うということだけではなく、国会の召集時期、会期幅に対する与野党の思惑、スケジュールを巡る駆け引きといった一種のゲームとも言える。

 

(1)常会

常会は毎年1月に召集され(同2条)、150日間の会期で、6月中旬頃まで続くのが一般的である。

常会での議論の中心は総予算、条約、政府提出法案などの審議であるが、おおよそのスケジュールはほぼ定型化されている。その時の状況に応じて一定ではないが、本会議のスケジュールのイメージは概略以下の通りとなる。

「院の構成」とは、正副議長が欠けている場合の選挙、議席の指定、会期の決定(常会では150日と法定されている)、常任委員の選任、常任委員長の選挙、憲法審査会委員・情報監視審査会委員・政治倫理審査会委員の選任(いずれも欠けている場合)、特別委員会の設置などである。国会が活動するうえで、基本的枠組みを整えるものである。

「開会式」は天皇陛下の臨席のもと、参議院議場で行われる。天皇陛下の「おことば」と衆議院議長の「式辞」が述べられ、15分程度で終了する。

「政府四演説」は常会における政府の基本方針を国会に説明する場で1時間30分程度である。政府四演説のうち、財政演説は総予算の提案理由説明も兼ねている。演説の翌々日から各院で1日半ずつの代表質問が行われる。演説内容は事前に配付され、質問内容も事前に通告される。質問は一問一答形式ではなく、まとめて質問を行い、答弁もまとめて行われる。

「議案の趣旨説明」に関しては、議院運営委員会が特にその必要を認めた議案については本会議において趣旨の説明を聴取することができる(国会法56条の2)。主として予算審議入り後から会期中盤にかけて行われる。重要な議案が趣旨説明聴取の対象となるが、法案審議の入り口となため審議日程調整のために利用されることも多い(本会議での趣旨説明を行う時期を意図的に遅らせるなど)。その日のうちに説明に続いて質疑が行われる。常会の前半は趣旨説明質疑のための本会議が順次開かれていく。

会期の後半になると、「議案の採決」のための本会議が多くなる。委員会で審査を終了した議案は、原則として翌日以降直近の本会議の議題となる。審査の結果について委員長報告が行われ、討論の希望があれば討論を行い(各会派が議案の賛否について述べる)、その後採決が行われる。討論がなく、記名採決でもなければ、通常は一議題について数分の議事である。会期末近くになって内閣不信任決議案が提出されると長時間の本会議となる(委員会審査を省略して本会議に緊急上程され、提出者の趣旨説明、討論、記名採決の手順となる)。

「閉会中審査の手続き」は、会期終了日に、閉会中についても各委員会が活動を行えるようにするため、議案や調査案件を継続審査とする手続きである(国会法47条2項、68条)。議会運営上の手続きだが、会期不継続の原則から手続きを踏まないと会期終了とともに議案は廃案となる(特別委員会の場合は、手続きを行わないと委員会自体が消滅する)。

 

(2)臨時会

臨時会は、臨時の必要により召集される。

臨時会が召集されるのは、第一に、内閣が必要とするときである。内閣提出法案(閣法)の審議、補正予算の審議など内閣の必要に応じて召集される。召集されると、院の構成、開会式を経て、総理の所信演説が行われたのち、議案の審議が始まる。また、衆議院を解散するために召集されることもある。

第二に、議員が必要とするときである。各院の総議員の4分の1以上からの要求があった場合は、内閣は臨時会を召集する法的義務を負う(憲法53条後段)。主として野党の必要に基づいての要求となるが、召集までの期限が定められていないことから、実質的に無視されてしまっている。

第三は参議院議員の通常選挙、または衆議院議員の任期満了に伴う総選挙後に開かれる国会である(国会法2条の3)。通常選挙は3年に1回開かれるので、3年に1回はこの臨時会が開かれる。(特に参議院を中心とする)院の構成、会期の決定、開会式が行われるが、所信演説は行われず、数日間の短期で終了するのが一般的である。なお、衆議院議員の任期満了後については1回の例(1976年、第79回国会)があるのみである。

 

(3)特別会

特別会は、衆議院解散を受けての総選挙後30日以内に召集される。

特別会の召集日には、院の構成を行うのはもちろんだが、内閣は特別会召集日に総辞職する(憲法70条)ので新しい内閣総理大臣の指名が行われる。その後、組閣、総理の親任式などの手続きがあるため、開会式は召集日から2、3日後に行われるのが例である。短期の国会となることが多いが、常会を開く時期に総選挙が行われると、毎年の常会の役割をも含めた特別会となることがあり、この場合の会期は150日となることもある(直近では2026年の第221回国会。2月8日の総選挙後、2月18日に召集された特別会の当初会期は150日)。特別会は常会と併せて召集することができるが(国会法2条の2)、この例はない。法文上、会期日数、延長回数に疑義が生じるからである。

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脚注

脚注
本文へ1 フランスは、常会の会期が9か月とされているが、これ以外に臨時会も開かれ、議会は年52週活動している。

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