国会の活動(参考)-減少する会期日数と衆議院常任委員会開会回数
岸井和
2026.10.05
以下は、2000年以降の年間会期日数と衆議院の常任委員会(2000年まで21あった常任委員会が2001年に17に改組された)の開会回数を調べたものである。
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上記表と下記グラフは衆議院の常任委員会開会回数を調べたもので、特別委員会と参議院の委員会は含まれていないが、この限りにおいて、衆議院常任委員会の開会回数は低下傾向にあるとみてとれる。特に、2006年以前とそれ以降との乖離は大きい。表の中で、委員会開会回数の青字のものは26年間の平均値を下回るものだが、2008年以降に集中している。特に、2019年以降は、会期日数も委員会開会回数も平均よりも低い水準が続いている。
単に会期日数が少なくなったために常任委員会開会回数も減少したわけでもない。会期日数による開会回数の多寡を調整するために、常任委員会の開会頻度(常任委員会開会回数/会期日数=一日当たりの委員会開会回数、土日休日も含めて計算)を計算してみた。2006年以前は、26年間の一日当たりの平均開会回数である1.82を超えていることがほとんどであるが、それ以降(正確には2006年9月の第一次安倍政権誕生以降)は平均値を押し下げている。2007年の開会回数は471回と少なくないが、会期日数との関係でその頻度は1.69と減少を示し始めている。2007年7月以降の衆参ねじれ国会の下で、委員会開会頻度は低下傾向が顕著となっていく。無用な対立が避けられ国会が効率化されたのか、ねじれの国会の中で表での議論よりも裏での合意妥協を重視するようになったのか、そしてそれが先例化したのか、検証を要する点である。
民主党野田政権下の2012年(衆参ねじれ状態)は年間の開会回数が309回(一日平均1.23)と最低値となっている。同年の常会は229日と長期になったにもかかわらず、常任委員会回数は247回(同1.08)と大幅に少ない。この理由としては、税と社会保障の一体改革特別委員会に時間を要したこと(22回開会)、そのために各党間協議という委員会外での活動が活発だったこと、あるいは与党民主党内の分裂混乱によるものであるが、それにしても常任委員会としてはルーティンワークさえ果たせなかったのではないか。同年の第181回の会期では政権がレームダック化して解散となり、次の会期では安倍総理を指名しただけであったことにより年間を通じて常任委員会の活動は低調であった。
その時々の国会情勢により常任委員会開会回数は変動するものではあるが、グラフからは2007年以降は減少傾向にあることが見て取れる。
常任委員会の開会回数は、会期日数と開会頻度との二つの要因による。近年では会期日数を短くする傾向にあり、これは開会回数の減少要因となる。他方で、近年においてもほぼ2年に一度は平均値を超えており開会頻度という側面からは絶対的に減少したとまではいえないであろうが、トータルの開会回数としては最低限のラインに近づいてきているのかもしれない。
これらの分析結果から、近年は十分な委員会審査が行われているのか疑問も感じる。直近の10年において2000年代初頭のように一日当たりの委員会開会頻度が2.0を超えたことは1回しかない。少ない委員会回数が先例化し定着していると言えるかもしれない。
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